東京鴨治床山株式会社 床山よもやま話
東京鴨治床山株式会社 床山よもやま話

床山よもやま話

あまり知られることのない歌舞伎や日本舞踊の床山。 床山は、かつらを結うのはもちろんのこと、歌舞伎に従事し、舞台の進行とともに各役者の鬘の掛け外し、興行間の鬘の手入れを行い、役者さんたちが気持ちよく舞台をつとめられるように …

「番頭の鬘(かつら)」

「黒手組助六」(黒手組曲輪達引)という狂言に番頭権九郎という役があります。鬘(かつら)は”油付(あぶらつき)角丸(かどまる)の眼鏡(めがね)”。角丸というのは、頭の毛が薄くなり鬢(びん)の上部の角が丸くなっているところか …

高島田と傘

花嫁の髪型に文金高島田があります。高島田は、島田髷(しまだまげ)が高くなったという意味ですが、文金という言葉はどこから出たものでしょうか。  江戸元文の頃 髷の根が高くなり、この髪型が流行るようになりました。 この頃金の …

玉簪と鼈甲の櫛笄

) 女性の髪の後ろに差す簪(かんざし)に、平打(ひらうち)や玉簪(たまかんざし)があります。これは当時のファッションと言うほかに護身用でもあるのです。 平打や玉簪は利き手である右側に差さなくてはいけません。暴漢に襲われた …

鴨治虎尾「歌舞伎床山芸談」第11回

(イントロダクション) 今回は口上の髷(まげ)、特に市川家の鉞(まさかり)について。 本文中にもあるように、口上の頭には油付と袋付があり、油付には市川宗家の「油付研ぎ出しの鉞」と直門幹部の「油付櫛目の鉞」があります。 「 …

鴨治虎尾「歌舞伎床山芸談」第10回

(イントロダクション)今回はかつらの材料となる毛の話です。人毛の他にも熊やヤクといった動物の毛や絹糸等が古くから使われています。それは人毛を節約するためではなく、舞台効果や役の性根を現すために、人毛より優れている場合があ …

鴨治虎尾「歌舞伎床山芸談」第9回

(イントロダクション)床山の仕事において何を良しとするかは、担当している俳優さんのお好みや、床山本人の役に対する解釈のみならず、時間の制限、運搬状況等々様々な要素があると思います。それでも、本文中に「お前の仕事はどうも一 …

鴨治虎尾「歌舞伎床山芸談」第8回

(イントロダクション)写真は本文中に出てくる「相撲 雲州髷(うんしゅうまげ)」の代表的な物の一つ、「双蝶々曲輪日記」濡髪長五郎。雲州髷という名前は「松江藩お抱えの雲州力士から」「温州蜜柑(うんしゅうみかん)の形に似ている …

鴨治虎尾「歌舞伎床山芸談」第7回

(イントロダクション)「立役の頭は、女形に比べて地味な印象の物もあるかもしれませんが、色々な為所(しどころ)があります。今回はその中でも特に袋付(ふくろつき)についての話です。写真は本文中に出てくる「鞘当(さやあて)」 …

すっぽりの話

 私はかつらの中で「すっぽり」という毛のない部分もかつらにしてしまう発想が凄いなと思います。 すっぽりは、角(すみ)が入れば「夏祭」団七のような強い男になり、角を甘くすれば「乗合船」の才造のような田舎者にもなります。また …

鴨治虎尾「歌舞伎床山芸談」第6回

「鬘(かつら)を単なる道具として見るのではなく、むしろ生きた人格につながるものとして尊重するこの道の作法精神」をもって後進を育てた利三郎師匠と、「持つて行くだけの力があるかどうかの一事につきるわけです」と思う弟子。決まり …

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