東京鴨治床山株式会社 床山よもやま話
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かつら豆知識

玉簪と鼈甲の櫛笄

) 女性の髪の後ろに差す簪(かんざし)に、平打(ひらうち)や玉簪(たまかんざし)があります。これは当時のファッションと言うほかに護身用でもあるのです。 平打や玉簪は利き手である右側に差さなくてはいけません。暴漢に襲われた …

すっぽりの話

 私はかつらの中で「すっぽり」という毛のない部分もかつらにしてしまう発想が凄いなと思います。 すっぽりは、角(すみ)が入れば「夏祭」団七のような強い男になり、角を甘くすれば「乗合船」の才造のような田舎者にもなります。また …

毛の種類

かつらの毛は、80%が人毛です。日本では今は長い髪を伸ばしている人はいませんから、中国から輸入です。 毛は腐らないので今使っている毛はいつの時代の毛かわかりません。 中国も急激な発展を遂げ毛の値段が昔よりずいぶん上がって …

伊右衛門のかつら

2_700_1今月の歌舞伎座 第三部『東海道四谷怪談』。民谷伊右衛門を仁左衛門丈がなさっています。 「色悪」で真っ先に名前が挙がる役の一つです。 写真は”伊右衛門浪宅の場”の伊右衛門のかつらです。 伊右衛門は『仮名手本忠臣蔵』の義士と …

「弁天小僧菊之助」のかつら

先月、市川海老蔵さんが「弁天小僧菊之助」を演じられました。 写真は成田屋系の結綿ですが、この役の髪型は演じる役者さんによって二通りあり、尾上菊五郎さんなど音羽屋系の方(かた)は文金という髪型でなさいます。 くす玉という丸 …

研ぎ出しと櫛目

油付櫛目の細みより2_small立ち役の鬘には、油付と袋付があります。袋付は櫛で結い上げた鬘です。油付は後頭部の部分を、固い油で少しずつ毛を固めながら髷の形に拵え(こしらえ)上げたものです。この髷は床山が作るもので鬘の後頭部として使います。 この油付も …

錣(しころ)の下げ髪

「忠臣蔵、大序」顔世御前錣とは兜の両脇にあるひらひらした部分です。 江戸時代の役者は、鬘師に鬘(かつら)を作らせて自分で保管していました。女形の鬘は結い上げる形のものが多かったので、この結い上げる鬘を利用して錣に似た別物の長い毛をつけて下げ髪に …

片はずしについて

katahazushi_iwafuji片はずしは御殿女中の代表的は髪型です。元禄以前の御殿女中は下げ髪でしたが、束ねた下げ髪では、何かと用事をする上で勝手が悪く、その下げ髪を笄(こうがい)で止めた形がこの片はずしで、笄を抜くとすぐに下げ髪になる髪型です。江戸 …

歌舞伎とかつら(3)

アミのかつら江戸時代の鬘(かつら)は、役者がかつら師に注文を出し、自前で役者が持っていました。床山が歌舞伎の座組に現れるのは、はっきりしたことは分かりませんが江戸後期からで、今のような鬘が確立されたのは明治後期から大正時代です。 名 …

歌舞伎とかつら(2)-生え際の違い-

tk_tokoyama_kk01舞台で使う鬘(かつら)は、初めの内はただ単に毛をつけた、つけ毛のような鬘でしたが、ストーリー性のある歌舞伎に変化していくとともに、鬘も徐々に進歩を重ねいろいろな鬘が出来上がっていきました。 ■ 蓑のかつら 銅板に毛をつけ …

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